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イギリス的夏に思う
今週は本当にぱっとしない天気続きだった。
ムシムシしたかと思うと、うすら寒くなったりとなんとも不快な日々。
夫がほぼ丸一週間出張していたこともあり、自分用の食事を作る意欲もわかず、当然体に力も入らずと、なんだか急に体調が悪くなったみたいだった。

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これはそんな日々の中で唯一「よし、何か自分のためにちゃんとした夕飯を作ろう!」とやる気の出た日の夕食。
夫の苦手なナスを使ってラタトゥイユを作り、ラングィーニとあえてみた。




ナスは私の好きな夏野菜の代表選手だけれど、日本で馴染んだ味との格差にがっかりさせられる野菜のひとつでもある。
夏でも日当たりのよくないイギリスだから、夏野菜が不味いのは仕方ないのだけれど、例えばズッキーニやトマトならばそこそこに味が濃くて美味しいもの見つかることもあるので、やはりこれは食文化の違いのせいではないかなと思う。

今回ベジ・マーケットで買ったナスはいちおう国産ということだったけれど、案の定種が多くて肉質が柔らかめ。一個1ポンドだから、野菜の中では割高なだけに一般の人、特にこの村のように“純・イギリス食”を好む人が圧倒的に多い土地柄では、どうしてもこの手の野菜は売れ行きが悪い。当然売る側もあまり吟味して仕入れをしないのだろう。

夫の出張時でもなければナスの料理を作る機会などないわけだしと思い直し、輪切りにしたナスにたっぷりと塩を振り、1時間以上かけて水抜きする。
それを多めのオリーブオイルで炒めてから、別の野菜と混ぜて煮込む。
味付けは塩と赤唐辛子だけ。
30分ほどとろ火で煮込んだラタトゥイユは、野菜(特にナス)が柔らかすぎで、パスタと混ぜる段階では部分的にペースト状になってしまった。とほほ。

あ~、日本の実のしまった長ナスで焼きナスとか、ナスの天ぷらなんかを食べたいものだなあ。こっちの水っぽいナスなんかじゃあ、お話にならないよなあ~、などと心の中で思いつつ、じっとパスタを食べる夕暮れであった。

さて、これは悔し紛れ的行為というか、「売ってないなら自分で育ててみるか」と苗を買ってきて植えてみたものです。ご覧の通りのみじめな育ち具合。
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今朝のラジオによると、今月は『Wettest July(もっとも雨量の多い7月)』の記録を作ることになるほど、雨続きなんだそうだ。
どうりで我が家の“コンテーナー菜園”の何もかもがろくに育ってないわけだ。
ロケット、グリーン・チリ、バジル、コリアンダー、ズッキーニ、そしてこのナス。どっしりと空を覆う雨雲を恨めしげに見上げて、ため息をつくくらいしか手立てがない。
先日、村の酒屋の奥さんと交わした会話がふと思い出される。
「こんな天気じゃ所詮時間の無駄だもの。もう野菜育てるのは諦めたわ。来年からは店で買うことにするの、私」
まったくの同感である。

Top▲ | by mini_robin | 2008-07-19 21:37 | キッチン
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