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自分を元気づけるご飯
この数日というもの、暗く陰鬱で雨と霧に包まれて、一日中灯りをつけっぱなしという、私が最も苦手な天候が続いていた。


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詳しい説明は避けるけれど、身内でシリアスな心配事が起きていて、気がつくとぼんやりとコンピューターの画面を見つめたままで時間が過ぎているような日々だったのだ。
「何か気がかりなことがあって、何も手につかない」と言うのは、本当にその通りなんだなあとしみじみ感じたりしている。

夫は先週末から東南アジアへの出張で、1週間以上の不在。
そんな訳で、パールは夕方になると「今日はお父さんが帰ってくるかな」とでも言うように、ドアの方をじっと見つめては「プフ~...」と変なため息をついたりしている。
私の方もそういう訳で精神的にかなり不安定な毎日で、我が家は珍しくかなり陰気なムードに浸っている。




火曜の朝、いつものようにパールを散歩に連れ出すと、30分も歩かないうちにズシンとしたとてつもない疲労感がやって来た。
ドッグ・ウォーキングがしんどく感じる。
これはつまり、私にとっての赤信号サインなのだ。
たとえ心配事がどれほど大きな物でも、自分が体調を崩していては誰の助けにもならない。
なんにもしたくない気分となんとか格闘して、しっかり栄養の摂れる夕食を作ることにした。

私が『活力の素となる食材』と考える時、たいてい豚肉を選ぶ。
肉をほとんど食べない上、肉特有の食感が苦手なので、しっかり煮込んで肉そのものの味も形もあまり分からないくらいになったもの。そして、好みのトマト味やハーブをたっぷり使った味付け。
これが私の定番豚肉メニューのルールだ。


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村の肉屋で「ポークチョップ一枚!赤身の多いのをね」と言うとこれを選んでくれた。約400g
ポークチョップは基本的に骨付きなので(矢印)、このくらいの量になる。



特に今回は、何か気分的に「お、これって作ってみたい!」と感じられるようなものを選ぶことにした。
それは、ロールキャベツ。
恥ずかしながら、ロールキャベツってほとんど作った経験ないんですよね。
なぜか料理好き&料理得意の母が、ロールキャベツをあまり食卓に登場させなかったからなのだけど(基本的に、私の実家では挽肉料理自体あまり人気がなかった)。

レシピを検索してみると、結構な量のパン粉が含まれているのを発見。
パン粉なんてもんはイギリスには無いし、わざわざその為にパンを買ってくる気もないので、“パン粉なしレシピ”を探すと、ここに一つだけありました
これなら、普通のポークチョップをバッシバッシと叩いて薄くすれば良いだけだから、下準備も簡単。

さて、肝心のキャベツはどうするか?
以前のブログで、キャベツについては散々語ったのですでに「はは~ん」と気付かれた方もいるかもしれない。
イギリスの、文字通り“煮ても焼いても食えない”キャベツ。これを丸ごとわざわざ一人用の夕食に買うと言うのが、どうにも納得いかない。
野菜マーケットに並んだ、赤ちゃんの頭くらいの大きさの3種類のキャベツの前でしばらく悩んでから、オーナーのAさんにアドバイスを求めてみた。

私:「こういう感じの料理を作るんだけど(ロールキャベツ風のレシピは料理本でもほとんど見かけないので)、どのタイプのキャベツが適していると思う?」
Aさん:「(ウ~ンっと唸ってから)そういう料理に使えるかどうか分からないけど、キャベツ丸ごと買うよりも良いだろうし、味は芽キャベツそのものだから、それを試してみたら」
と、指差したのが、Brussels sprouts(芽キャベツ)の隣の箱に入ったsprout topだった。


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この野菜、私は聞いたことも見たこともなかったのだけど、芽キャベツの一番上の部分らしい。
芽キャベツって、栽培されているの見た事あります?
ちょっとした苗木のような茎の周りに、まるでしがみつくかのように芽キャベツが“生えている”のです。
これが、アロットメントにニョキニョキと並んでいる光景を初めて見かけた時、正直ギョっとした。視覚的に、結構グロテスクなのだ。
で、その“芽キャベツ・タワー”の上には、このややもっさりとした形状のミニ・キャベツみたいなものがくっついているという訳です。
野菜って、なんて面白いのだろう。


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上↑の葉っぱをはいでいくと、中に現れるのがこれです。ベイビー・サイズの芽キャベツがくっ付いているのがなんともいじらしい気がするのだけど。

さて、これをあえて下茹でせずに薄くした豚肉を巻いて、ふと思いついて軽く表面を焼きつけてからトマト味で煮込んでみた。
ルクルーゼの鍋で作ったので、1時間煮ては午後の散歩に出かけ、戻って来てまた火を入れ、30分煮てから今度はお風呂に入り、食べる前に再度30分くらい煮込む、という感じで気長に調理してみた。

で、お味なんですが、蓋を開けた時点で「う、これは美味そ~う!」と足踏みしたくらい。
ちょっと、トマト味が強過ぎ?という気もするけれど、お肉はほろほろに煮崩れてとても美味しくできた。
ただ、このsprout topなのだけど、奇妙な歯ごたえが残っているのは否めない。
独特のキャベツ臭さはまったくないのだけど、ちょっと独特な食感がある。だから「お口の中でとろけるぅ~!」みたいな感動は無し。


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その分、形が崩れないでお肉を包み込んでいてくれるのだけど、野菜としての美味しさと言う点ではあまり好みの食感ではなかったかもしれない。
上手く言えないけど、なんとなく見た目も“菜っ葉”と言う風で、これはむしろ細かく刻んで野沢菜みたいでもして食べるしかないんじゃない?という気がするのだけど。

この夜は、勢い余って紅茶入りショートブレッドも作ってしまった。


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こうやって、些細なことで自分の気持ちを盛り上げつつ、ひとまず「週末まで持ちこたえるぞ、私!」と思っているところです。
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Top▲ | by mini_robin | 2009-11-12 02:15 | キッチン
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