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タルトは奥が深い
再び、気分が少し下降気味になっていた日々。

で、前回もそうしたように普段はめったに作らないものを作ってみた。
フルーツ・タルトを作るのだ。
それも今が旬のチェリーを使って!

もともと、「フルーツタルト、作ってみたいな」と思ったのは、このブログで散々紹介しているsugar toothさんのブログ。
彼女のあんずのタルトがとても美味しいそうだったから。




ただ、一つ気になったのが、『今までタルトはずっと練パイ生地だったのだけど、今回は初めてパート・シュクレ(中略)これが伸ばしにくいの何の』と書いてあること。
「タルトと言えば、つまり練りパイ生地のことじゃないのかな?」と疑問に思い、早速検索してみる。

お菓子作りにあまり興味のない方にとってはどうでもいいような細かい話で申し訳ないのだけど、イギリスでタルトのレシピと言うと、たいてい市販のパイ生地(shortcrust pastryと呼ばれるタイプ)を使うか、又は薄力粉にその半分に当たる量のバターを指先で練りこんで行く(つまり練りパイ生地ですね)タイプのどちらか。

で、cookpadをチェックしていて驚いたのは、いきなりバターに卵を混ぜ込み、そこに粉を加えるというレシピが結構多いことだった。
ここまで来て初めて、それがパート・シュクレの作り方だったと気が付いた。

私にとっては練りパイ生地の方が馴染みがあるし、でもsugar toothさんの意見も気になる。何しろ、商売としてタルト生地を作っている人の言う事だし。
でも、パートシュクレの未知の世界も経験してみたいし...と思い、cookpadの中で私がかなり信頼しているこちらのレシピを使わせてもらうことにした。

で、実際に作業を開始すると、これがなかなか曲者なのだ。
レシピ通りにやっているのに、生地がなかなかまとまらない。
なんとかひとまとめにして袋に入れ、それを更に5ミリの厚さに伸ばそうとする。
すると、端からモロモロと崩れて粉々になっていく。
これは最初から作りなおした方がいいだろうか?とも思ったけれど、「きっと休ませている間に、生地が落ち着くことでしょう」と考え直し冷蔵庫へ。

3時間経過。

慎重に慎重を重ね、上下をラップで覆っておいて、めん棒で型の大きさに伸ばしていく。
「か、硬い!!」
明らかに水分&油分と粉のバランスが悪いみたいで、なかなかスムーズに伸びてくれない。
なんとか伸ばし切って、さて型に乗せましょうと持ち上げようとしたら、ひび割れが入る。
「おかしいなあ。練りパイならこの段階で、めん棒でくるっと簡単に持ち上げて、型の上にひょいと移動してお終いなんだけど....」

正直言って、この辺りからかなりうんざりしてきた私だった。
気分をすっきりさせたくて始めたのにぃ~!

結局、型をひっくり返して生地に乗せ、おりゃ!と逆さまにしてなんとか底の部分は完成。
側面については、ラップの上に無残に残ったバラバラの生地を手で少しづつちぎっては、型に張り付けていくという、なんともいい加減なやり方でごまかすことにした。

ま、タルト生地さえ終われば、後は簡単簡単。
バター・砂糖・アーモンド粉・卵、そしてウィスキーをちょこっと入れて混ぜるだけ。
チェリーはすでに種を取ってあるので、乗っけるだけ。


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お待たせしました。
いよいよ試食の時間です。
すでに体力と気力を使い果たした感があるので、なんだかもうとにかく一息つきたいという気持ちで一杯。
なんと言っても、底抜けタイプの型だからさぞかし楽チンにタルトを取り出せるはず...だったのだけど、底の部分がビシっと貼りついたまま離れない。
底にナイフを滑らせて外そうとすると、タルトの表面に地割れのようにうっすらとヒビが入るのだ。

あ~、もういい!!
まず一切れ味見だけして、ほっておけばいい!!


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では一口。
「売ってるタルトより、ずっと美味しい!!」
でも、正直なところ、タルト生地はどうにも“サクサク”ではない。どちらかと言うと、グズグズ。
うれしさ半分、がっかり半分。
4分の1切れだけ翌朝の朝食用に残して、そそくさとアルミ箔にくるみ冷凍庫へ仕舞いこむ。それはまるで、見たくない物をいち早く目の前から遠ざけたいというような感情に似ている.....。


一夜明けて、タルトを食べてみると、生地は更にグズグズ度を増していた。
なんだかまた落ち込んで、半分以上残してタッパーに入れ冷蔵庫へ。

ところがその夜。
なんだか落ち込み気分が最高潮になってきて、意味もなく悲しい。
食欲もあまりないし、体もだるいような感じがする。眠くもないし、本を読む気にもなれないという、何もかもがほとほとうんざりしてくるような最悪な気分だった。

夕食の後片付けも終え、お気に入りの警察物ドラマに見入る夫を居間に残し、キッチンに籠って残りのタルトを食べつつ、オンラインでHampton Court Flower Showの再放送を見ることにした。
画面をぼんやり眺めつつ、タッパーから直接スプーンですくってタルトをもそもそと食べる。
するとどうでしょう。
なんだかこれがしみじみと美味しいのだ。

体が単に甘いものを要求していたのか、それとも元気のない自分にそのぐずぐずとした食感が癒し的役割をしたのか...。

ま、どっちにしても、パートシュクレはこれっきりかも。

今日はブラックベリーがマーケットに入荷していたので、すでにタルト第2弾を作成中。
これはつまり、ちょっと気分が上向きになってきたということかな。

涼しくなってきたら、


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お菓子作りもいいですけど、


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寝ころぶのもいいですよ。



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Top▲ | by mini_robin | 2009-07-10 00:17 | キッチン
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