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夏の味覚と干し野菜を楽しむ
先日パールの暴走に冷や汗をかかされたあと、一日一本のバスに乗って出かけたのが隣町での月一回のファーマーズ・マーケット。


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イギリスでは、今や各地でこの手のマーケットが盛んになっているけれど、隣町のマーケットはすでに5年ほど続いているもので、パールが我が家に来る以前は手軽なお出かけとして楽しみしていたものだ。

特にベリー類や野菜が豊富になる初夏から秋にかけては、のんびりと並べられた食べ物や花の苗を眺めつつ、半日の外出を満喫したものだった。




ただ、当時はまだ現在のような全国的規模の“grow your own vegetable(家庭菜園)”ブームは無く、一般のイギリス人の食への関心は『どこに出かけて何を食べるか』に集中していた。
イギリス経済が記録的な好景気な頃で、とにかくちょっと真新しいパッケージを付ければなんでも売れてしまうという傾向もあったようだ。
そういう消費者意識を逆手にとって、例えばこのW町のマーケットに再三登場していたのが『Y島産の有機プチトマト』だった。

ちょっと説明を加えると、もともとファーマーズ・マーケットには一定の規定(法律ではないので、あくまでもルール)があって、生産地から18マイル(約30キロ)圏内で生産・育成された食品のみを売る、ということになっている。

さて、このY島と言うのは英仏海峡に面したハンプシャー県にあるポーツマス市から、更にフェリーに乗って出かけていくような場所にあるのだ。
W町はもちろんオックスフォードシャー県なわけで、フェリーの旅の時間を省いたとしても、イギリス人のぶいぶい飛ばす運転で間違いなく3時間はかかる距離である。

当時、この手の情報に興味を持っていた私として、「これって、ファーマーズ・マーケットの規定に反してんじゃないの?」といぶかったものだけれど、マーケットの中で一番目立つ、一番広いスペースを取り仕切って店を出していたこのトマト屋の前で、何人もの人が足を止め値段を見て「ちょっと高いけど、でも有機栽培だし」という風にかなり割高のそのトマトを買い求めていた姿を覚えている。

さて、今回数年ぶりに行ってみたら、例のプチトマト屋はすっかり姿を消していた。
実を言うと、以前このサイトを再開する前のブログでもこの話題を取り上げたのだけど、なんと偶然にもその数ヶ月後『サンデー・タイムズ』紙上で、このトマトは実はY島どころかロンドンかどこかの郊外で適当に栽培したものを、“Y島栽培の有機栽培”と銘打って売っていたいわゆる『産地偽装』だとすっぱ抜かれたのだった。

この一件がきっかけになったのかどうか、かつては“何でもあり”風の店の出店も許されていたのが、今やどの店も店名を書いた看板や横幕を見る限り、この町から車で20分ほどで行けそうな町や村から来ているようだった。

イギリスの消費者の食材、そして食の安全への意識は5年間でこれほど変化したんだなあと、なんだか内心ちょっとうれしかった私である。



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さて、当日の戦利品の内容ですが、
グリーンピース→無農薬栽培
そら豆→有機栽培)
ウェット(乾燥していない)・ガーリック→有機栽培
袋入りロケットサラダ→有機栽培
ストロベリー→露地栽培

そしてお昼とおやつ用に
自然酵母パン
レモン・バンズ
ダムソン・ジャム
以上を買ってみました。

家に戻ると昼食もそこそこに、サラダとストロベリーを洗ってタッパーにしまいこむ。
この辺が、自分で言うのも変だけどとても主婦していると思う。

葉物やハーブ類、それにベリー類を売っていたビニール袋やプラスチックの箱に入れたままにしておくのは、どうにも落ち着かないのだ。
なんだか、野菜や果物が“汗をかいて”早く痛んでしまうような気がして。
で、科学的根拠はひとつもないのだけど、こんな風に買ってきたら洗ってタッパーに入れるようにしている。
おかげで、買い出しの後にはやたら仕事が増えるのだけど、ビシっと食材が仕舞いこまれたタッパーが冷蔵庫の棚にずらずらと規則正しく並んでいるのを見ると、何とも言えない充実感を感じてしまうのだった。

さてこの後、更にもう一つ主婦的な作業に取り掛かった。

この日は、バス停に立って昼の直射日光を真正面から受けているとクラクラするほど、それはそれは太陽サンサンの良いお天気。
「こういう日は、乾燥野菜作りに最適かも!」と思い立ち、冷蔵庫の中に残っていたピーマン、ズッキーニ、トマト、それと当日スーパーで買ったナスを薄切りにして干してみた。


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これは、クロワッサン紙で料理研究家の有元葉子さんが紹介していたアイデアなのだけど、もともとイギリスでは野菜を干すという習慣がないので(ま、イギリスの天気は野菜だけじゃなく、何を干すにもあまり適していないのだけど)、時々「切干大根食べたいな~」とか「秋は干し芋よね~」とか、いわゆる日なたの匂いがする野菜類が恋しくなったりするのだ。

有元さんの言葉を借りれば「使いきれなくてダメにしてしまいそうかな?と思ったら、干してしまえばいいだけですから、簡単ですよね」と言うわけで、物を無駄にしないエコなアイデアでもある。

彼女のアドバイスでは、「3-4日干す」ということだけれど、晴天がそれほど続く確率はイギリスではかなり低いので、この夜の独り夕食用に干し野菜を使ってパスタを作ってみた。

干し野菜にガーリックとタイム、多めのオリーブオイルを加えてオーブンローストにして、火が通った頃ツナ缶の油を切って加え白ワインを少々を垂らしてかき混ぜ、スイッチを切ったオーブンに入れておく。
パスタが茹であがったら全部を混ぜ合わせれば出来上がり!


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パスタと野菜の割合がややアンバランスだったけれど、いつもの新鮮な野菜のローストに比べるとどこか“滋味のある”味わいで、冷えた白ワインも添えて主婦の一人の夕食としてはなかなかのものでございました。

皆さまも、お試しくださいませ~。
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Top▲ | by mini_robin | 2009-06-20 23:11 | キッチン
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