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噂の丸パンを焼く
久しぶりにまともなパン作りをしてみた。
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3年前に日本へ里帰りした際に買ってみた『アルネ』と言う雑誌。
そこで紹介されていた堀井和子さんのパンのレシピだ。

彼女のこの独特なパンの作り方。(Googleしてみると、どうやら“うちで焼く丸パン”という本に掲載されているのがこのレシピらしい)
かなり以前の某女性雑誌にも掲載されていたのだけど、一見かなり面倒くさい。

で、その写真工程付きの“堀井流パンの作り方”も、用意する道具は多いし、やたらと手順も細かく、あれこれ制約なんかもあって、私は一回だけきっちりレシピ通りに作ってみてうんざりしてしまった。
出来上がったパンが「なんだよー、こんな手間をかけてこんなもんなの?」という程度のものだったからだ。
それ以来、パン作りと言えば『パン作りは簡単で誰でも出来る事』と体感させてくれたジェイミー・オリバー方式(粉に塩・砂糖・簡単イーストを文字通りぶち込み、そこに適度なぬるま湯を入れ、あとはせいぜい5分程度力任せに捏ねるだけ)をずっと通してきたのだ。





ところが、なぜか「もう一回このレシピで作ってみるか」と言う気になった。
しばらくcookpadなんかで見つけたパン・レシピをあれこれ試したけれど、どちらと言うとここに集められているレシピは圧倒的にバター+卵+やや多めの砂糖という組み合わせ。
日本人に最も人気のある『ふわっふわ!』で、『耳まで美味しぃ~!』と言うタイプ。
で、たまには『あっさり系、粉の味わいだけ』というパンで、堀井和子風に言えば「毎朝食べても飽きない、うちのパンで素敵な朝食のシーンを作ってみました」なんてしゃれてみるか、と思ったわけです。

そんな訳で、今回は『30度のぬるま湯を340cc』なんていう面倒な計量やら、『一次発酵は200度にしたオーブンにスイッチを入れて、20秒くらい温めた庫内で』なんていうところまでしっかり指示通りに従い、いつもは無視するベンチタイムなんかもきっちり取って作ってみた。
発酵を待つ間に買い出しに出かけたり掃除をしたりと、できるだけ時間を有効に使いつつの作業ではあったけれど、それでも9時半に開始してようやく焼き立てのパンが口に入ったのは午後の1時半。
やっぱり、こういうレシピでパンを焼くと「やっぱりパン作りって、時間にかなりの余裕がないと出来ないよな~」という気がしてくる。


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それでもまあ、結果良ければ全てよし。
今回もまた「なんか味気ないよ、このパン」なんてことになったら、がっかりだなあとドキドキして試食してみたら....「う~む、この風味の違いは!!」
目からウロコとはまさにこの事。

温度への気配り、生地を休める、塩の量をきちんと測る、等の手順の違いで、これだけ味の違いが出るとは....。
正直、自分でも驚きましたよ。
それでも、いつもの猜疑心一杯で「焼き立てのパンだもの。風味だって良いし美味しいに決まってんじゃん」と、やや舞い上がり気味の自分を戒めつつ、丁寧に包んで冷凍しておく。

さて、翌朝。
いそいそと、『手作りパンとバターとマーマレード、そしてたっぷりのミルクティーの朝食』を自分の為にセッティング。
そして、さっくりと焼けたトーストを口に含んだ時の喜び...。
「うむ。これは一味違う」
シンプルであっさりしていて、なのに香ばしい風味がしっかりと口の中へ広がる。


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なるほどね、これはたしかに毎日毎日、何年も食べ続けても飽きない味かもしれない。
丁度、美味しいお米で丁寧に炊いたご飯が、何度食べ続けても飽きないのと同じように。

『アルネ』のこの記事の中で、堀井さんはこのパンをもう何年も週に2回は焼いている、と語っている。
HB無しの我が家では週2回のパン作りはちょっときついけれど、定期的に焼いて冷凍庫に確保しておきたいような、新しい“私のお気にいり”になりそうな気がする。

Mini_robiからの追加情報:リンクを付けるためにAmazon.co.jpをチェックした際、カスタマー・レビューを読んでみました。
面白い事に「パン作り初心者に最適」という意見と、「堀井さんのようにパンを十数年焼いている人向け」と言う意見の両極端に分かれているようです。
私の個人的意見を言えば、彼女の“独自のパンの作り方”はビギナーには向いていないと思います。
彼女の方式では、『粉の性質やその日の湿度によって水分の過不足が出来た時の調整』がほぼ不可能だから。
「とにかく初めてだから失敗なしで、パン作りの楽しさを体験したい」という方、ジェイミーの本を読んでみよう!

Top▲ | by mini_robin | 2009-03-29 23:34 | キッチン
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