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英国的春の味覚
イギリスに春の訪れを知らせるもの。

そこには、桜だとか曙の美しさのような日本的情緒はない。

そこにあるのは、イースター関連食品の数々!

スプリング・ラム(文字通り、春に生まれる子羊さん達のお肉)から始まり、スーパーの特設コーナーにずらずらと並んだ大量の卵型チョコレート商品。
そして忘れちゃいけないのが『ホット・クロス・バンズ』。
チョコレートも、マジパンがどっさり入って極端に甘いシムネル・ケーキにも興味がない私だけれど、このバンズが1月下旬頃スーパーに並び始めるとついつい立ち止まってしまう。

生協で売っているそれは、8個入りで90p(120円くらい)だったろうか?
穀物の値段が高騰しているという現状もどこへやら。たぶん水・油脂・砂糖・膨張剤なんかでたっぷり水増ししてあるのでしょう。
たいてい生地がふわんふわんと頼りなく、口のなかでごたごたとお団子状になり、そしてたっぷりと甘い。




と言う訳で、数年前から自家製ホット・クロス・バンズを何度か試作している。
“試作”とあえて言うのは、いまいち「うん、これは良い!これなら手間がかかっても手作りする甲斐があるな」と思えるものが出来ないから。

私の長年のリサーチによると、この菓子パンのレシピは2つのタイプに分かれる。

1.レーズンパンを単に丸パン状にして繋げました、風のもの。スーパーの市販品の多くはたぶんこのタイプだと思う。

2.バンズとしての特徴にこだわったレシピ。強力粉の代わりに薄力粉を使い、バター・卵・牛乳が加わる。

過去に両タイプを試してみたのだけど、1の場合「悪くないけど、何か違っている」と感じ、2の場合は焼きたてはいいけれど、すぐに固くなってしまうという欠点があった。

さて、今年はどうしようかといくつかのレシピ本をチェックした結果、私がここのところ絶大な信頼をおいているHugh Fearnley Whittingstall のレシピを試してみることにした。
彼の『The River Cottage Year』からのレシピで、薄力粉とイーストを混ぜて発酵種のようなものを作り、それを別に準備した粉に混ぜて作るというちょっと変わったレシピ。

実は、先週はイギリス最大競馬レースの一つ『チェルトナム・フェスティバル』が開催されていた。
普段は競馬やら賭け事一般には全く興味のない人間なのだけど、なぜかこのレースのラジオ中継(というか、午後1時から4時までの特別番組)をお供に、のんびりお菓子やらパンを焼くと言うのが、ここ4~5年の春の年中行事になっているのだ。
午後の日差しがあふれるキッチンで、パン生地を捏ねたりバターと卵を混ぜ合わせたりしつつ、レース場に集った人々のインタビューや熱気あふれるレース中継を聴いていると、しみじみ「あ~、とうとう春がやってきたかぁ...」という満足感を感じるのだ。
うーん、なんか渋いな、自分で言うのもなんだけど。

と言う訳で、競馬中継を聴きつつホットクロスバンズを焼きました。


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ホットクロスバンズと他のバンズ(丸型の菓子パンの一般的な名称)を区別する重要なファクターとなる上のクロスの部分。
面倒だし、その宗教的意味合い(クロスもちろん十字架を意味している)にこだわって作っているわけでもないので毎回省いているのだけど、今回は頑張ってレシピ通りにペーストを作りクロスもばっちり作ってみるか!と思ったら、途中で薄力粉が切れてしまいえーいと棚の一番前にあったそば粉とお湯を混ぜて作るという、大胆な試みに及んでみた。


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さて、結果は?

ふふふ...美味い!
ただし、そば粉クロスはカチカチでなんだか生のパスタを食べている風で大失敗。見た目も怪しげだし。
「焼きたてじゃないと美味しくない」というこれまでの不満点を、このレシピは見事解決してくれた。
冷めたものをタッパーに入れて、翌日トーストしてみると焼き立てに負けない味。
冷凍した物も、ラップに包んでレンジで1分解凍してから自然解凍すれば問題なし。





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彩りが賑やかになってきた庭を眺めつつ、ホットクロスバンズとティーで一休み。
あ~、まさに春の醍醐味とはこれだ。
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Top▲ | by mini_robin | 2009-03-15 22:53 | キッチン
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