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お菓子を焼いて、ウサ晴らし
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ちょっと嫌な事が2-3日続いていたある夜のこと。
ぼんやりとTVを見ながら「また明日が始まるの、うんざりだな...」とだんだんくら~い気分になってきた。
でも、明日は当然やってくる訳で、仕方ないので何か明日のお楽しみを作ろうと珍しく寝際に台所へ立った。

すでに夫は眠り込んでいた時間だったので、大仕事は無理。
いくつか手持ちのレシピ本をひっくり返した後、数年前に訪ねたアイルランドで買ったパン作りの本の中の『Tea Brack』に目が留った。




Brack と言うのは、辞書によるとアイルランド語でドライフルーツ入りのケーキやバンズ(丸パン)を意味するらしい。
『Tea brack』は文字通り、ドライフルーツを一晩濃いめの紅茶に浸して作るケーキなのだ。

せっかくだから、ティーバッグではなくEnglish Breakfast Teaの茶葉を使ってお茶を淹れ、昨年のクリスマス時期に買っておいたドライフルーツ・ミックスを浸す。アイルランド産ではないけれど、風味付けにウィスキーも大さじ2杯ほど加える。
明日の朝の散歩の後に、このケーキを焼こうと計画を立てたらなんだかちょっとだけ気分が落ち着いた。キッチンからの物音で「ご飯かな?」とパールが起きだしてこないうちに布団に入ることにした。

さて、翌日のこと。
ちょいと研究心が起きて、他のTea loaf やTea Breadのレシピを検索してみることにした。
すでにお気づきの方もいると思うけれど、あえて“cake”と言う名がついてないのは、レシピにバターが含まれてないから。
厳密に言えば、例えば『アイリッシュ・ティー・ブレッド』というキーワードで検索すると、バター入りのレシピも出てくるのだけれど、あえて私は脂肪分無しバージョンにこだわってみた。
で、「うん、これは使えそう」と思ったのがイギリス料理界の大御所デリア・スミスさんの 『Irish Tea Breadのレシピ。

彼女のレシピとTea Brackの方とを私流にアレンジして、作ってみたのがこれ。


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デリアのレシピをそのまま使ってもよかったのだけど、彼女のそれはなんとドライフルーツの量が薄力粉の2倍という重量感で、いくらなんでもこれではドライフルーツをそのまま食べるのとあまり変わらないのじゃないか?と言う気がして、そこで2つの違うレシピのいい所を取ってみた、というわけです。

そんな研究熱心な私でしたが、今回もまたボコっと大失敗をしでかしました。
出来上がった生地を型に入れてから、「あれ?何か足りないな」とふと気がつくと「砂糖入れるの忘れてた!!」。
ケーキの表面が砂糖がけのようになっているのは、後からレシピの半分以下の量を慌ててまぶしたという苦肉策の結果です。
ケーキとかパンの砂糖衣って苦手なんだよなあ。あの“じゃりん”とする舌触りがなんだかしっくりこなくて。
でも、今回は他に手立てがないので、砂糖がけを実行。

で、出来上がったケーキにアルミ箔をかけてから急いでヨガへ出かけ、2時間後に帰宅してまだほんのりと暖かいそれを一切れ食べてみた。
「なーんだ。美味しいよ、これ!」

実際にレシピで指定している量の2割くらいしか砂糖が含まれてないので、イギリスでお目にかかる(市販品も手作り品も)フルーツケーキの歯にじわ~んと浸みこんでくるかのような、はっきりとした甘味を予想して食べると「あれれ?」と言う物足りなさは感じるかもしれない。
でも、それはそれ。これはこれ。

私にはこのあっさりとした甘さで十分だった。
ついでに報告すると、砂糖がけのクランチな感じがムッチリとしたbrackの食感に丁度良いコントラストを与えて、なかなか良い仕上がりになっておりました。
瓢箪から駒とはまさにこの事!と独りでほくそ笑んでしまうのだった。

気分が沈んだり、何かが上手く行かない時は、『こうすればあなたも成功する!』とか『魅力的になるにはこうしなさい!』とか『運がよくなる○○の仕方!』なんていう類の本を読んでうんうん悩み続けるよりも、“自分のために”(ここが肝心)ケーキでも焼いてお茶を淹れてじっくり味わう時間をとってみる。
問題はまだそこに存在するだろうけど、ちょっとだけ気分が上向きになるみたいだ。



Mini_robinの言語学セミナー:

私、言葉のオリジン(語源)を調べるのが大好きという変な趣味を持っています。で、brackの語源も当然チェック。
アイルランド語の『bairin breac』という言葉から発生した言葉で、bairin breacとは「まだら模様の(speckled)ケーキ」というような意味があるらしい。
たしかに、断面はまだらになっております。↓
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Top▲ | by mini_robin | 2009-03-05 00:16 | キッチン
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