人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Top
年の暮の主婦のつぶやき
2008年もほんの数日を残すばかり。

イギリスはクリスマスと新年の間の、何とも言えない宙ぶらりんな空気に包まれている。
TVやラジオと言えば、目新しいクリスマス休暇特別番組的なものはほんのわずか。あとは、人気ドラマやコメディの再放送か映画の繰り返しで、これまたなんだか宙ぶらりん。
月曜の朝と言えば、朝の8時には車や人のざわめきでかなり騒々しい家の前の通りも、今朝はまるで日曜の朝みたいにシーンと静まり返っていた。おかげで9時まで寝てました。

でも、こんな雰囲気というのは、なんだかせーせーした感じがして、毎年この時期になると私は奇妙な充足感のようなものを感じるのだ。
色々あったけれど、そんな一年も暮れてゆくのね、と言った達観。
すべては橋の下を流れる水のごとく、と言った悟りの境地。
振り返ってあーでもない、こーでもない、あーしたらよかった、こーしたらよかった、と考えあぐねても遅いのだ。
ただ潔く、やってくる新しい年に思いを馳せるだけね...と、柄にもなくクールにつぶやいたりして...。




さて、そんな日々の中、たぶん今年最後のベイキングをした。
梨のクリームケーキ。


年の暮の主婦のつぶやき_b0059962_1281730.jpg





たまたまクリスマスの食材に買っておいたcrème fraîch≪クレーム・フレッシュ。もともとフランス特有のものだったけれど、最近ではこの村の生協のような小さなスーパーでも買えるくらい一般的になった。これは日本の生クリームとはちょっと違う(と思う)。サワークリームと英訳されている場合もあるけれど、厳密にはサワークリームとも似て非なるもの。イギリスにはあまりに多種類の“クリームもの乳製品”が存在して、一つ一つ解説していると長くなるので省略≫が半分以上余ってしまったので、それを消費するべくレシピ探し。
『生クリーム食パン』というのもなかなか興味があったけれど、小型の我が家のオーブンでは水分の抜けが悪いのか火力が均等じゃないせいなのか、食パンタイプのパンはいまいちの出来上がりになる。で、逆にフラストレーションがたまってしまうので、手軽にケーキにしておきました。
オリジナルのレシピはりんごを使っているけれど、これまたクリスマス用食材として買っておいた梨をコンポートにしたのが冷蔵庫に残っていたので、それで代用。

お味の方は「しっとりめのフルーツ入りパウンドケーキ」という感じ。
もっと果物が入って、お酒の風味ももっと強いと更に美味しいかもしれない。


消化しきれなかった有給を使うべく、クリスマスイブからずっと休暇中の夫。
毎年、義母の執拗な命令で渋々25日から数日間、泊まりがけて実家に帰るのが恒例だった。それが今年はどうしたことか。27日に出かけ24時間以内という素早さで家に戻ってきた。
夕方に戻ってくるものと予定していた私の「あれ?ずいぶん早く戻ってきたんだ」という疑問&喜びを隠せない言葉に背を向けつつ、冷蔵庫から黙々とチーズやらピクルスを取り出しながら「何も聞くな。腹ぺこなんだよ」とつぶやきつつ、赤ワインの栓を抜く夫。
「ちょっと、まだお昼だよ」と突っ込むと、「あれだけろくでもない食事をしたんだから、美味しい赤ワインでも飲まなくちゃな」だと。

フランス勤務で独り暮らしをしている時はもちろん、結婚後も25日のクリスマス当日は好む好まぬは抜きで、必ず義両親と共にテーブルを囲んでいた夫。義両親にとっては、自慢・最愛の長男である夫が不在のままのクリスマス・ランチは初めてのことだろうし、この記録的短時間の滞在で“妻と愛犬”の待つ家へ向かうと言う行動に出たこの変化!!
よっぽどうんざりしたんだろうなあ、夫も。

“Fly on the wall”と言う表現があるけれど、これは文字通り“壁のハエ”と言う意味。
イギリス人は例えば「あ~、その場に居合わせてそこで交わされる会話をこっそり聞きたかったよ!」みたいな状況でこれを使っている。
そこで「fly on the wall になって、そそくさと去っていく夫を何とか引きとめようとする義母の悔しげな顔を見てみたかった....!!」と思った私でした。031.gif


ところで、ベイキングと言えばこのケーキの写真も含めて、今まで作って来たものは全てダイアリー方式でまとめてある整理好きな私。
別の機会に「あ、あのケーキ(又はパン)美味しかったよなあ。どうやって作ったっけ?」と思う時、参考になるのはもちろんのこと、似たようなレシピを見つけた時失敗作を作らない為にテキストブック的な役割もしてくれる。
まあ、暇と言えば暇なんですけど。

で、今年一年の記録をふと辿ってみたら、いやはや自分でも驚いた。少なくとも月に4回は何かを作って更新してあるのだ。
おまけに、7月など11回もベイキングをしているぞ!
一体どういう一か月だったのだろうか?
確かに、今年の夏は雨ばかりのなんとも情けない寒い夏だった。それを思うと、「きっと暖を取るために何かを焼いたんだな」と想像する。
それにしても、ほぼ3日に一度の割合でお菓子やらパン作りをしていた私の日々...。
これだから主婦は止められないのだ。

来年も『日々、これ精進なり』の精神でもって、主婦業に誇りをもって没頭する私で行こうっと。
Top▲ | by mini_robin | 2008-12-30 01:34 | 飼い主日記
<< 2008年が過ぎる | ページトップ | クリスマスの後で... >>
"springleaves" Skin
by Animal Skin