日曜の朝の散歩を終え、村のメインストリートにさしかかると、いつもはシーンと静まり返っているはずの通りに俄かに活気があふれている。 週3回の野菜マーケットを仕切るAさんの軽トラックが停まっている。見ると、マーケットの場となるタウンホール(とは言っても、20人も入れば一杯になる、木の床がギシギシする古めかしい集会場に小さなキッチンとトイレが付いているだけ)の一階部分には、野菜の箱がどんどん積み下ろされているところだった。 ホールのすぐ斜め向かいにある肉屋の店内には、薄明かりの中で働くオジサン達の白いコートが見える。 そして我が家と通りを挟んでお向かいにあるインテリア小物を売る店は、今日だけ特別に日曜営業しているらしい。その隣のチーズ屋の内部もやはり灯りがついて、誰かが働いている様子。 思うに、この村の小さな商店街は明日からクリスマスイブまでの“一年に一度の大商戦”へ向けて、今日のうちにあれこれ準備をしているのだろう。 そんな活気と隣り合わせるようにして、冬の薄暗い天気につつまれたなんとも陰鬱な、いつもの日曜が存在している。 ちょっと物悲しくてどこか侘しいような、小さなコミュニティを包む日曜の午後の空気。これは何も、今年のクリスマスが数年ぶりの大不景気の影響を受けているという理由だけじゃないと思えてくる。 ふと「ひょっとして、このフェスティブ・ムードから“取り残されている”と感じているのは、私のような外国人だけじゃないのかも」と思いを巡らせずにはいられないような、そういう裏寂しさがあるのだ。 3時を回ると辺りの暗さが一層に増すので、慌ててパールを散歩に連れ出した。 村のレクレーション・グランドに行ってみると、驚いたことに日曜のこの時間にしては珍しく結構なにぎわい。見たところ彼らは 1)クリスマスの準備・買い物に忙しい母親に“邪魔だからどっか行ってて!!”と家を閉め出されたティーンエージャーの皆さん or 2)クリスマスの準備・買い物に忙しい妻に“邪魔だからどっか行ってて!!”と家を閉め出された旦那&彼に連れられた子供たち という顔ぶれのようだった。 いつもは犬を散歩させる人が一人か二人いるかどうか、という人気の無さに慣れている眼には、薄暗くて相手の顔もよく見えないだろうに、元気にボールを蹴り合っている男の子たちの姿や、スケボーで遊ぶ子供をぼんやり眺めているお父さんの存在を見かけるのは悪くないものだ。 「そうか、君たちも行き場がないのかね。ふんふん」みたいな仲間意識を感じてしまう。 TVやラジオが盛りたてようとする“クリスマス・ムード”は、まさに日を重ねるごとにボリュームを上げていくようで、3日前にしてすでに「分かったから。もういいから。もうたくさんです」と言いたくなるほどの勢い。 でも、イルミネーションやらドアに飾られたリースやらを横目で見つつ、うんざりした気分で「やれやれ。クリスマスったって、楽しみなんて何もないじゃん」と肩をすくめている人は、ひょっとして私以外にも結構な数が存在するのかもしれないなあ。 久しぶりにベーグルを焼いてみた。 適当に成型したら、ベーグルと言うよりもゴマパンになってしまったとさ。 Top▲ |
by mini_robin
| 2008-12-22 02:17
| 飼い主日記
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