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ある主婦の一日
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朝からムカつく出来事があったので、「ちくしょ~!スコーンでも焼いて“贅沢な“朝食でもするか!」とごそごそとベイキング。

頭に血が昇っていたせいで、レーズンを入れるのをすっかり忘れた。おまけに、「たまには別のレシピで作ってみよ」と初めて挑戦するレシピを使い、砂糖を少な目にいれたせいでなんだか薄味のスコーンになった。
悪運続きのついでに、今年のマイブームだった“ライム入りマーマレード”が切れている。涙をのんで蜂蜜をつけて食べる。なんだかしっくりしない味....。




散歩の後、村の生協へいさんで買い物へ。
何がなんでもあのスコーンにた~っぷりとジャムをつけて食べなくちゃ、どうにも気が済まんですたい!!
でも、悲しいかな。イギリスの日常の現実がここで私を襲う。
この国でちょこっと“町”から離れたコミュニティーに住むと言う事は、自動的に買い物の選択肢が制限されるということ。まともなサイズのスーパーに行けば、ジャムなんて嫌になるくらいの種類・価格のバラエティでずらずら~っと並んでいるものなのに。
この店にあるのは、ストロベリー・ラズベリー・マーマレードの3種のみ。
それも、昔からイギリスにある“お馴染みブランド”的なもの(たいてい年配の方々が好まれ、砂糖たっぷり・添加物入りというタイプ)か自社ブランドのものオンリー。狭い通路で他のお客さんの迷惑を気にしつつ、「これしかないのかぁ~」と物色していると、お、こっそり隠れるようにしてボン・ママン社のジャムがあるじゃないか。ラズベリーが2個、そして最後の1個として残っていたアプリコットジャムをがっちり握りしめる。




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日本でもお馴染みボン・ママン。左は後日隣村まで行ってゲットしたマーマレード様。


いつもの私なら「大量生産したジャムゥ?!。カントリーマーケットで買えるような、生産者の名前の入った手作りジャムじゃなくちゃダメダメ!」と難癖付けるのが普通。今回はそういう注文をつけている余裕はないのだ。なんだか、妊娠した女性が突然なんの前ぶれもなく「あ、あれが食べたい!どうしても、今すぐ食べたいぃ~!!!」という、とてつもない衝動にかられて買いに走る、みたいな精神状態だった。

ついでに、カッカしながら散歩をしている時「あ~、なんだか無性に腹が立つ!ワインでも飲まないと気が静まらないやい!!」と考えていたので、念のために赤ワインも買う。
これまた選択肢がなく、さんざん迷った挙句ちょっと高めだったけれど「このブドウの組み合わせなら私でも飲めるかも」と当てをつけて、NZ産メルロー&カベルネ・ソービニヨンを買う。

家に戻ってお茶をいれ、今朝のスコーンを温め直してアプリコットジャムを大さじ1杯分くらいてんこ盛りにして、口にいれた時の喜びと言ったら.......。
まさに『小確幸(小さいけれど確かな幸福感。村上春樹氏の造語から転用)』とはこのことなり。

この夜は、夫が会社のクリスマス・パーティーでロンドンに外泊。
独りの夕食は、手軽だし冷蔵庫の残り物処理にもなるのでお好み焼き・チヂミもどきにする。毎回毎回「いまいちだなあ...」と感じるので、今回はこのレシピを試してみた。
茹でた小エビを少量の白ワインと醤油であえておいたもの(冷凍物が解凍した時の独特の匂いを取るため)をメインの具に。他には、ブリュッセル・スプラウトと呼ばれるイギリス人が嫌う野菜ワースト3に必ず上がる芽キャベツの薄切りと小葱を使ってみました。
「うん、これは今までで一番美味い!」
味の濃いソース類は好きじゃないので、トッピングは青のりと白ゴマだけ。でも、素材の味わいそのもので十分美味しいのだ。
かすかにヴァニラの香りが口の中にふっと残るNZ産赤ワインも、なぜかこのお好み焼きもどきのお供に合うんだなあ、これが。


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夫が居ないといつもそうするように、ちょっとがっかりしたように丸くなってふて寝するパールの横に座って、ワインをすすりつつ探偵小説の続きを読んで過ごす。いや~な気分で始まった一日が、丸く収まっていくのを実感する夜
特に誰に対してでもないけれど、「やーい、やーい。どーだぁ~」と、奇妙に勝ち誇ったような気分。子供っぽいな、私。



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スコーンも怒りに震える、ウガァ~
Top▲ | by mini_robin | 2008-12-15 00:05 | 飼い主日記
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